「庭木として植えて、春には花見を楽しみ、秋には自家製ナッツを収穫したい」というガーデニング愛好家が増加しています。アーモンドの樹勢は強く、日本の気候でも十分に生育しますが、結実まで成功させるにはいくつかの栽培上のハードルが存在します。
園芸ファンのコミュニティや知恵袋等の現場レポートを精査すると、「花は見事に咲くが、実が全くつかずに落ちてしまう」という悩みが最も多く見受けられます。この主因は「自家不結実性(じかふけつじつせい)」にあります。
一般的なアーモンドの品種(ノンパレルやダベイなど)は、自分の花粉では受粉・結実できない性質を持っています。そのため、実を収穫するには開花時期が一致する異なる品種を2本以上混植するか、桃やスモモの花粉を用いた人工授粉が必要となります。もし1本だけで花も実も楽しみたい場合は、「ダベイ(自家結実性系統)」や「ホールズハーディ」「スーパーノヴァ」といった1本で結実する園芸品種を確実に選定することが成功の必須条件です。
さらに、アーモンドは原産地が乾燥地帯であるため「高温多湿」と「水はけの悪さ」を嫌います。梅雨時期の長雨による「灰星病(はいぼしびょう)」や「縮葉病」の予防、日当たりと排水性に優れた土壌作り(赤玉土に腐葉土やパーライトを配合)が健全な育成の鍵を握ります。