彼女の名を決定的に世に知らしめたのは、1996年に公開された岩井俊二監督の金字塔的映画『スワロウテイル』だった。架空の街「円都(イエン・タウン)」を舞台にした群像劇の中で、無垢でありながら逞しく生きる少女アゲハを熱演。当時まだ10代半ばだった彼女が見せた胸を刺すような眼差しは、日本映画ファンに強烈な記憶を焼き付けた。
この作品での圧倒的な演技により、国内外の映画賞を総なめにした彼女は、一躍「次世代の日本映画を背負う実力派」として注目を集めることになる。映画の枠組みを超えたカルチャーの潮流の中で、彼女の放つ生々しいリアリティは、スクリーンの枠を超えて時代の空気そのものを象徴していた。