病気や怪我の恐ろしさは、医療費の支払いだけにとどまらない。本質的なリスクは「働けなくなることによる収入の途絶」だ。
会社員であれば健康保険から「傷病手当金」が支給され、給料の約3分の2が最長1年6か月間にわたって補償される。しかし、減額された収入から住宅ローンや固定費、さらに膨らんだ医療費を払えば、貯金は加速度的に減っていく。より悲惨なのはフリーランスや個人事業主だ。国民健康保険には傷病手当金が存在しない。倒れたその日から収入はゼロになる。「保険に入っていなかったため、無収入期間に蓄えをすべて使い果たし、事業の再開すら危うくなった」という告白は、独立を選んだ人々の間で特に根深い。