邑久地域が世界に誇る文化的遺産、それが抒情画の巨匠・竹久夢二である。明治17(1884)年、この邑久の地に生まれた夢二は、独特の「夢二式美人画」で一世を風靡し、グラフィックデザインや詩の分野でも多大な足跡を残した。鈴木清順監督の映画『夢二』でも描かれたその頽廃的で美しい世界観の原点は、豊かな自然と情緒に満ちたこの故郷の風景の中に息づいている。
邑久駅からバスやタクシーでアクセスできる「夢二生家記念館」や「少年山荘」では、彼が幼少期を過ごした茅葺き屋根の生家が保存されており、彼が描いた肉筆画や当時のスケッチ、詩の草稿などを間近で観賞できる。風にそよぐ草木や静かに流れる川のせせらぎに耳を澄ませば、竹久夢二が抱いた郷愁の情が時を超えて伝わってくる。