伊東四朗の卓越したコメディセンスの原点は、若き日に過ごした浅草の演芸場にあります。生粋の東京・下町育ちである彼は、喜劇役者を目指して舞台の世界へ飛び込みました。
1960年代、三波伸介さん、戸塚睦夫さんとともに結成したお笑いグループ「てんぷくトリオ」で一躍全国区のスターへと駆け上がります。軽妙なコントと卓越した演技力で一時代を築いたトリオでしたが、メンバーの急逝という悲劇に見舞われ、伊東四朗はピン芸人・俳優としての道を模索することになりました。
劇場の叩き上げで培った「客席の空気を瞬時に掴む観察眼」と「徹底したリアリズム」こそが、のちの「ニン!」をはじめとする伝説のギャグまとめに登場する数々の名芸の土台となっています。