本院は防衛省の直轄組織であり、厚生労働省から高度な医療技術の開発・評価および研修を担う「特定機能病院」として承認されている。一般的な大学病院と同等、あるいはそれ以上の臨床能力を備えているが、決定的に異なるのは「防衛医学」の知見が臨床現場に色濃く反映されている点だ。
防衛医学とは、爆傷、銃創、広範囲熱傷、NBC(核・生物・化学)災害、極限環境下での低体温症や潜水病など、通常の臨床では稀な病態に対処する学問である。この研究から得られた止血法や急性期管理のノウハウは、一般市民が遭遇する交通事故などの多発外傷や難治性ショックの治療にも余すところなく応用されている。ロボット支援手術やがんゲノム医療といった最先端技術と、ミリタリースペックの危機管理医療が融合した国内唯一無二のハイブリッド空間といえる。