全国組織である大日本猟友会の構成員の状況を紐解くと、暗澹たる現実が浮き彫りになる。会員の約6割以上が60歳以上であり、現場の主力は70代という地域も決して珍しくない。雪深い山中に足を踏み入れ、数百キロの巨体を解体して搬出する作業は、本来であれば過酷を極める重労働だ。
若者の狩猟免許取得を支援する動きも散見されるものの、仕事や家庭を持つ若年層が、平日の白昼に突発的に発生する有害鳥獣の緊急出動へ即座に対応することは物理的に難しい。「高齢のベテランが去った後、誰がこの街をクマから守るのか」という問いに対し、有効な処方箋を提示できている自治体は皆無に等しい。組織の衰退はそのまま地域安全の崩壊に直結している。