2018年6月9日夜、東海道新幹線殺傷事件は日本の公共交通における安全神話を根底から覆した。東京発新大阪行きの車内、突如としてナタを振り回し始めた男。逃げ惑う女性たちを身を挺して庇い、凶刃に倒れた男性会社員の勇気と悲劇は、社会全体に深い悲哀をもたらした。
公判における彼の態度は終始、異様の一途をたどった。反省や謝罪の言葉は一切なく、検察側の求刑通り無期懲役が言い渡された瞬間、突如として両手を突き上げ「万歳三唱」を叫んだ光景は裁判員や傍聴人に強烈な心理的衝撃を与えた。最初から無期懲役囚として一生涯を国家に管理されて生きることを「目的」とした凶行。日本の裁判史上でも類を見ない動機が法廷で現実のものとなった瞬間だった。