摩天楼の谷間を吹き抜ける冷たい風の中、ベーグルショップの紙袋を提げて足早に歩く姿は、道行くニューヨーカーと何ら変わらない。ニューヨーク市マンハッタンでの生活において、彼女が選択したのは「徹底的なロープロファイル(低姿勢)」の維持だった。かつての公務で見せた格式高いドレスやスーツ姿は姿を消し、着心地を重視したダークトーンのコートやワイドパンツ、スニーカーが彼女の定番スタイルとなっている。
国際基督教大学(ICU)時代から育んできた「個人の意思を重んじる精神」は、匿名性の高いこの街でようやく息を吹き返したといえる。現地在住の日本人コミュニティとも意図的に一定の距離を置き、週末には地元のファーマーズマーケットを訪れるなど、プライバシーを厳格にガードしながら街のリズムに身を委ねている様子が目撃されている。