『ブルーロック』の魅力は、派手な技の応酬だけではない。青い監獄(ブルーロック)という閉鎖空間で繰り広げられる、エゴイストたちのドロドロとした心理戦と内面的な葛藤こそが物語の真骨頂だ。西垣は、セリフのない局面における「静」の演技で客席を支配した。
ボールを持たない瞬間の視線の動き、相手を品定めするような冷酷な眼光、そして内なるエゴが爆発した瞬間の狂気を帯びた歪んだ笑顔。彼が舞台に立つだけで、客席にはピンと張り詰めた緊張感が走る。原作のコマとコマの間に存在する「語られざる感情のひだ」を拾い上げる力において、彼の右に出る者はいない。