本作のドラマ性を極限まで高めたのが、西郷の生涯の盟友でありライバルでもあった大久保利通役を演じた瑛太(現・永山瑛太)との化学反応です。幼少期からの無二の親友が、やがて国家観の相違から対立し、西南戦争で刃を交える運命を辿る2人の関係性は、まさに本作の感情的な支柱でした。
撮影現場において、鈴木亮平と瑛太は互いに役に入り込むあまり、終盤の政治的対立の場面ではあえて私語を絶ち、張り詰めた緊張感を維持していたという撮影秘話が残っています。台本を超えて互いの感情が激突した緊迫の対峙シーンは、いま見返しても息をのむ完成度を誇ります。
さらに、西郷の精神的支柱となった島津斉彬役の渡辺謙、二度の島流しで出会い運命の愛を育んだ愛加那役の二階堂ふみ、妻・糸役の黒木華、篤姫役の北川景子など、日本屈指の実力派キャスト陣が脇を固め、重厚な人間ドラマを紡ぎ出しました。