西暦の起点となる「紀元1年」を算出したのは、6世紀にローマで活躍した修道士ディオニュシウス・エクシグウスだ。彼は皇帝ディオルクレティアヌスの弾圧の記憶に基づく紀年法を嫌い、イエス・キリストの誕生年を試算して新たな暦の軸を据えた。
しかし、後世の歴史学や天文学の検証により、彼の計算には4年から7年ほどのズレがあったことが判明している。実際には、キリストの誕生は紀元前4年前後であった説が濃厚だ。計算の誤差を内包しながらも、バチカン教皇庁がこの紀年法を公式文書に採用したことで、西暦はヨーロッパ全土へと深く浸透していった。