医療現場の自衛策として機能し始めているのが、厚生労働省が推し進める選定療養費制度の活用強化だ。大病院への患者集中を防ぎ、医療機関ごとの役割分担を明確にする目的で導入されたこの制度が、救急搬送の現場にも事実上の「有償化フィルター」として作用している。
国の方針として、大病院の救急外来を安易に受診するリスクへのペナルティが強化されつつある。以前は救急搬送であれば自動的に免除されていた徴収金も、現在では「医師が緊急性なしと判断した場合は免除しない」という厳格な運用へシフトした。医療資源の適正配置を狙う政策的圧力は確実に強まっている。