日本のラーメン文化において、「家系ラーメン」の生みの親である「家系総本山 吉村家」の創業者・吉村実氏の存在は絶対的だ。清水裕正氏もまた、吉村氏のもとで修業を積み、厳しい職人世界を勝ち抜いて直系店として認められた至高の担い手であった。
しかし、王道家は突如として直系からの離脱を宣言する。業界内に大きな衝撃が走った。絶大な知名度と集客力を保証する総本山の傘下を、なぜあえて離れる決断を下したのか。その真相には、スープの味に対する徹底的なこだわりと、自家製麺の導入をめぐる譲れない信念が存在した。
吉村家の伝統を守る指定麺に対し、清水社長は自ら小麦の配合から開発した自家製麺の提供を切望した。伝統の継承か、それとも進化への挑戦か。妥協を許さない二人の職人魂がぶつかり合った末、清水氏は自らの手で「株式会社王道家」の独立独行を誓い、新たな道を切り拓くことを選んだのだ。