なぜ、ただ自重を持ち上げるだけの運動で関節が悲鳴を上げるのか。その最大の要因は、関節と腱に無理な剪断力(せんだんりょく)をかける不適切なフォームにある。特に代表的なミスが、腕を外側に開きすぎた「ベタ寝型」のプッシュアップだ。上腕が体幹に対して90度近くまで開くと、肘関節にかかるストレスは著しく跳ね上がる。
動作時に肘が過度な内反・外反を強いられると、肘の曲げ伸ばしを司る関節包や靭帯が引き伸ばされ、摩擦によって熱を帯びる。さらに、体を押し上げる際に肘をピンと伸びきるまでロックする癖がある場合、骨同士が直接ぶつかり合い、軟骨を摩耗させる原因となるのだ。知らずにこの動作を何百回と繰り返すことが、肘関節の破壊を早める最大の要因となっている。