エプスタインが築いた帝国を支えていたのは、国際金融業界の沈黙と加担である。大手投資銀行ベア・スターンズ出身の彼は、巨額のプライベート資産を動かす資産管理人としてウォール街に君臨した。大手メガバンクは、不審な多額の現金引き出しや不透明な送金履歴を長年にわたって把握していながら、エプスタインがもたらす巨額の手数料ビジネスを優先して口座を維持し続けた。
後に金融機関は被害者たちから集団訴訟を起こされ、巨額の和解金を支払う事態に至っている。金融界のトップたちが彼の個人的なサロンに出入りし、ビジネスのアドバイスを求め合っていたという事実は、富裕層ビジネスがいかにコンプライアンスや倫理を麻痺させていたかを浮き彫りにした。