旧統一教会の存在が日本の市民社会に計り知れない衝撃を与えた象徴的な出来事といえば、1992年に開催された大規模な合同結婚式だろう。当時、トップアイドルとして頂点に君臨していた桜田淳子の参加表明は、日本中を激震させた。スター自身の知名度と好感度がそのまま教団の「公認」として機能し、一般信者の勧誘や資金集めにおける強固なフックとなったことは否定できない歴史的真実である。
当時の芸能界は、事務所と教団の抗争、あるいはスターの信仰告白に対して二の足を踏みつつも、強烈なワイドショー報道の波に呑み込まれていった。華やかな表舞台の裏側で、広告塔としての影響力を巧みに利用する教団側の戦略と、それに巻き込まれる芸能人たちの苦悩は、昭和から平成へと続く巨大な社会問題の過渡期であったといえる。