日本国内で特に警戒されているのが、生命力が極めて強いアツミゲシ(セティゲルム種)である。かつて愛知県渥美半島で発見されたことからその名がついたこの品種は、コンクリートのアスファルトの隙間や家庭菜園の隅など、わずかな土壌があれば瞬く間に繁殖する。問題は、このアツミゲシがあへん法によって無許可の栽培・所持が全面的に禁止されている点だ。
日本のあへん法は世界的に見ても厳格で、違法なケシを故意に栽培した場合、最高で7年以下の懲役が科される。たとえ「勝手に生えてきた雑草だと思っていた」「きれいだから抜かずに置いておいただけ」という主張であっても、違法性を認識しながら放置していたとみなされれば、厳重な行政指導や取調べの対象となる。葉が茎を包み込むように生えているかどうかという小さな特徴が、合法的植物と違法植物を分ける致命的な境界線となるのだ。