2004年5月、京都府警は金子氏を著作権法違反幇助の容疑で逮捕した。包丁を使った犯罪が起きたときに、包丁を作った刃物職人を逮捕するようなもの——この逮捕は国内外のエンジニアコミュニティに猛烈な不信感とショックを与えた。ここに、日本の裁判史上でも類を見ない過酷な法廷劇の火蓋が切って落とされた。
検察側は「悪用されると分かっていてソフトを提供した」と主張し、懲役1年を求刑。一審の京都地裁は罰金150万円の有罪判決を下した。汎用的なITツールを開発した行為そのものに刑事責任を負わせる判断は、日本のソフトウェア開発者たちを萎縮させ、「革新的なコードを書けば逮捕されるかもしれない」という強烈な恐怖を植え付けることになった。