彼の名を語る上で外せないのが、是枝裕和監督が手掛けた映画『そして父になる』だ。取り違えられた子どもという極限の状況を描いた最高峰のヒューマンドラマにおいて、主人公の息子役を演じた彼の透明感あふれる佇まいは、世界中に大きな衝撃を与えた。
父親役を務めた福山雅治との緊迫感あふれるやり取りや、子供らしい無邪気さと切なさが交錯する眼差し。撮影現場で是枝裕和監督は台本をあえて渡さず、口頭でシチュエーションを伝えながら自然な反応を引き出す手法をとったとされるが、その演出に見事に応えてみせた度胸と直感力は、まさに天才の名にふさわしいものだった。第66回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞した際、レッドカーペットを歩いた彼の姿を覚えている映画ファンも多いだろう。