警戒しなければならないのは、破壊的な暴風だけにとどまらない。台風が引き連れてくる大量の湿った空気と秋雨前線が交わることで、広範囲で記録的な大雨がもたらされる危険性がある。
特に恐ろしいのが、発達した積乱雲が列をなして同じ場所を襲い続ける「線状降水帯」の形成だ。これがひとたび発生すれば、短時間で数か月分に相当する雨が集中して降り注ぐ。山間部での激しい土砂崩れや、都市部を流れる河川の氾濫が一気に現実味を帯びる。道路の冠水やアンダーパスの水没など、危険は瞬く間に目の前に迫る。夜間の避難は視界が奪われ極めて危険なため、判断は日中の明るい時間帯に下すことが生命線を分ける。