タバコが持つ耽美的な魅力を語る上で、漫画家オノ・ナツメの存在を看過することはできない。彼女の代表作『ACCA13区監察課』において、タバコは国家的な超高級品、権力と贅沢の象徴として描かれた。
主人公ジーン・オータスが細身のシガレットを指に挟み、物憂げな視線とともに煙を吐き出す所作の数々は、煙草が単なる嗜好品を超えてキャラクターの知性や孤独を表現する至高の小道具であることを証明した。抑制された線画と洗練された色彩で描かれるタバコの佇まいは、現在の擬人化カルチャーに携わるクリエイターたちの美意識にも深甚な影響を与え続けている。