炭火もも焼きの進化を語る上で欠かせないのが、宮崎が誇るブランド地鶏「みやざき地頭鶏(じとっこ)」の存在である。かつて島津藩の地頭職に献上されていたことからその名がついた幻の地鶏を、長い年月をかけて交配・改良。厳しい飼育基準のもとで平飼いされ、通常のブロイラーの約3倍もの期間をかけてじっくり育て上げられる。
宮崎県みやざき地頭鶏振興協議会の厳格な規定をクリアした肉は、単に硬いだけの親鳥とは一線を画す。筋繊維が緻密で、噛むほどに旨味成分であるイノシン酸が舌の上に広がるのだ。噛みごたえと柔らかさの絶妙なバランス。この地鶏の誕生によって、宮崎の鶏料理は単なる大衆酒場の肴から、全国の美食家が唸る至高の逸品へと昇華した。