厚生労働省が公表する人口動態レポートを紐解けば、日本の出生数減少と婚姻件数の低下は歯止めがかかっていない。この現実は、珍しい苗字を持つ家族にとってダイレクトな打撃となる。
メディアの社会問題解説などでも頻繁に特集されるように、地方の古い集落にしか存在しない希少な苗字が、過疎化と高齢化によって毎年のように消滅している。跡継ぎがいないまま家系が途絶え、文献の中にしか存在しない「死語ならぬ死姓」が増加しているのだ。
一度消えてしまった苗字を戸籍上に復元することは、現行の法律下では事実上不可能に近い。私たちが気づかないうちに、地域の歴史や風土を映し鏡のように反映していた貴重な文化資源が、静かに日本列島から失われている。