既製スーツ全体の販売数が落ち込む一方で、例外的な活況を呈しているのがオーダースーツ分野です。オーダースーツ市場の成長理由には、消費者の購買行動と製造サプライチェーンの劇的な進化があります。
最大の要因は、「既製品とほぼ同等の価格帯(2万〜4万円台)で自分専用の1着が作れる」という価格破壊です。青山商事が展開する「Quality Order SHITATE(クオリティオーダー・シタテ)」や、オンワード樫山の「KASHIYAMA」、さらには「FABRIC TOKYO」「グローバルスタイル」といった専門ブランドが台頭し、若年層の敷居を劇的に下げました。
背景には、3Dスキャン技術やデジタル採寸アプリの普及、そして工場との直接連携による生産・配送リードタイムの短縮があります。「どうせたまにしか着ないスーツなら、自分の体型にジャストフィットした愛着の持てる1着を選びたい」というパーソナライズ志向が、既製服からオーダーへの顧客流入を強力に後押ししています。