日常生活に溶け込んだテクノロジー・ガジェットの筆頭であるスマートフォンだが、その薄い筐体の中では熾烈な熱との戦いが繰り広げられている。Qualcomm Snapdragonに代表される最新プロセッサは、PC並みの演算能力を発揮する一方で強烈な熱を生み出す。特にYouTubeで4K動画を連続視聴しながら急速充電を行うような過酷な条件下では、放熱処理が追いつかず一時的な熱暴走に陥るリスクが高まる。
さらに深刻なのは、給電能力を担うリチウムイオン二次電池へのダメージだ。この電池は45℃を超える環境に極めて弱く、高温下で化学反応が加速すると不可逆的な劣化が進行してしまう。プロセッサが放つ熱とバッテリーの熱耐性——この二つの物理的限界が、現代端末における過熱問題の根底に潜んでいる。