クリニックの最前線で患者の口内を診続けている歯科衛生士たちは、口を揃えて「真面目で几帳面な人ほど歯を削っている」と証言する。1回に10分以上磨く人、使って1ヶ月も経たないうちに歯ブラシの毛先が外側に広がってしまう人は、オーバーストロークの典型的なサインだ。
歯科医療の現場において、プラークは台所のヌメリのような柔らかいバイオフィルムとして扱われる。タワシで鍋をこするような腕力は不要であり、必要なのは毛先を的確なポイントへ届かせる繊細なコントロールだけだ。歯と歯の間の汚れは歯ブラシ単体では6割程度しか落とせないため、無理にブラシを押し込むのではなく、フロスや歯間ブラシを併用する方が歯肉退縮のリスクを劇的に下げられる。