私立医学部進学における最大のネックは、6年間で平均3,000万〜3,500万円に達する莫大な学費です。「富裕層の子弟でなければ無理だ」と諦める受験生は少なくありませんが、現在は学費負担を国公立大学並み(約350万円)あるいは実質無料まで圧縮する資金ルートが存在します。
第1のルートが、「大学独自の特待生制度」です。代表格である国際医療福祉大学では、一般選抜の上位合格者(特待生S)に対して、入学金を含む初年度学費や寮費相当額を含めた最大1,400万円規模の給付・減免措置を実施しています。また、北里大学や順天堂大学、関西医科大学などでも、成績上位者に対して数百万円から全額免除のスカラシップ制度が整えられています。
第2のルートが、「自治体による地域枠・修学資金貸与制度」です。多くの私立医学部では、所在地の県や医師不足に悩む近隣自治体と連携し、学費相当額(月額15万〜20万円+入学金等)を無利子で貸与する地域枠を設定しています。卒後に指定された公立病院や過疎地の医療機関で一定期間(通常9年間)勤務することで、返還が全額免除されます。
「かつて地域枠は現役生限定が主流でしたが、地域定着率の観点から、覚悟を決めた社会人出身者を積極的に評価する自治体が増加しています。出願要件にある年齢上限(25歳未満、30歳未満など)の緩和状況を募集要項で確認することが必須です」(医系予備校進学アドバイザー)
第3の選択肢として、徳洲会グループなどの大規模医療法人が運営する病院奨学金制度も挙げられます。こちらも指定病院での一定年数勤務で返還免除となるため、親からの資金援助が見込めない社会人再受験生にとって強力なセーフティネットとなっています。