彼の音楽的ルーツを語る上で欠かせないのが、1970年代初頭に突如として現れた伝説のバンドキャロルである。革ジャンにリーゼントという尖ったビジュアルと、疾走感あふれるストレートなサウンドは、当時の若者文化に巨大なインパクトを与えた。
何よりも革新的だったのは、日本語の歌詞をロックンロールのリズムやビートに乗せるボーカルアプローチの確立だ。それまで「日本語はロックに乗らない」とされていた音楽界の常識を打ち破り、拍の捉え方や英語的な発音の響きを巧みに取り入れることで、独自の音楽言語を作り上げた。
バンド解散後、ソロアーティストへ転向してからも、その挑戦的な精神が衰えることはなかった。アメリカン・ロックの太いビートと、日本人独特の繊細なメロディ感を融合させたスタイルは、今日に至るまで日本のロックシーンの金字塔であり続けている。