藤原紀香さんが発信を強化していた2015年から2016年頃、日本の美容・健康業界は空前の水素水ブームに沸いていました。多くのモデルや芸能人が愛用を公表し、コンビニやドラッグストアにはアルミパウチ入りの水素水が並び、高価格帯の生成サーバーが飛ぶように売れる市場環境が形成されていました。
しかし、学術的な検証と公的機関のメスが入るにつれ、過度な健康効果への期待には疑問符が付けられるようになります。2016年12月、独立行政法人国民生活センターは市販の水素水および生成器に関する調査結果を公表。「活性酸素を速やかに除去する」「あらゆる病気を予防する」といった宣伝表示に対し、医薬品医療機器等法(旧薬事法)や景品表示法上の問題点を指摘しました。
医学研究の現場では、慶應義塾大学などによる「水素分子の医療応用(心停止後症候群に対する水素吸入療法など)」に関する臨床研究が進展し、先進医療Bに認定されるなどの学術的成果も出ました。しかし、それは厳密に管理された医療用ガス吸入の話であり、一般的な清涼飲料水レベルの水素水とは一線を画します。科学的根拠が追いつかないままマーケティングが先行したことが、世間に「怪しいブーム」という印象を植え付ける要因となりました。