サウンドの骨格を成していたのは、当時全盛期を迎えていたエレクトロニック・ダンス・ミュージック(EDM)、とりわけ中毒性の高いエレクトロ・ハウス(Electro House)のリズムだ。重厚なベースラインとキャッチーなシンセリードが、自撮りという日常的ナルシシズムと危険なほど噛み合った。
火に油を注いだのが、YouTubeで公開されたミュージックビデオだった。一般リスナーから募集した自撮り写真に加え、スヌープ・ドッグやデヴィッド・ハッセルホフといった著名人のセルフィーをコラージュした映像は、ソーシャルメディア時代における「参加型コンテンツ」の決定打となった。さらに黎明期を脱しつつあったSpotifyのバイラルチャートを席巻。音楽を「聴く」だけでなく「使って遊ぶ」という、後のショート動画カルチャーの原型がここにあった。