世界的建築家が手掛けたプライベートヴィラや、自然環境へ配慮したスモールラグジュアリーホテルが続々とオープンしている。一昔前の素朴な民宿中心の観光地というイメージは過去のものになりつつある。圧倒的なプライバシーと洗練された美食体験を提供する国際水準の宿泊施設が、感度の高いトラベラーを引き寄せてやまない。
こうした高価格帯ホテルの進出は、島の経済やインフラに大きなインパクトを与えている。一例を挙げれば、地元の新鮮な食材を最大限に生かしたファインダイニングの増加や、海外からのプライベートジェット対応だ。世界遺産としての価値を担保しながら上質な滞在環境を整えるこの動きは、島全体のポテンシャルを飛躍的に押し上げている。
地域の観光推進を担う奄美群島観光物産協会の担当者は、「単に客数を増やすのではなく、一回の滞在における価値と満足度を高める取り組みにシフトしている」と語る。島本来の静謐さを損なうことなくハイエンド層を受け入れる体制づくりが、今のトレンドだ。