脳外科と並び、一瞬のミスが命直結となる心臓外科の領域でも「神の手」の評判を持つ名医たちが存在します。複雑な先天性心疾患の乳幼児を救う小児心臓外科のパイオニアや、心臓を止めずに血管をつなぐ「オフポンプ冠動脈バイパス術」の第一人者など、数々の医師が限界に挑み続けてきました。
心臓外科における名医の評判は、単なる手術成功率の数字だけでなく、術後の回復スピードや合併症の低さといった患者本位の結果によって裏打ちされています。
近年では、ダビンチやhinotoriといった手術支援ロボットの進化、さらにはAIによる術前シミュレーションの導入が進んでいます。しかし、どれほど医療機器が高度化しても、血管の質感や微細な弾力を指先と経験で感じ取り、咄嗟の出血に対応する判断力は、今なお人間の熟練した技工に依存しています。「神の手」の技術をいかに次世代の若手医師へ継承していくかが、医療現場の大きなテーマとなっています。