昭和から平成へと移り変わる激動の時代。日本の芸能界を揺るがす未曾有の事態が発生した。名優・勝新太郎と中村玉緒の長男として生まれた鴈龍(旧芸名・奥村雄大)の生涯は、まさに波乱万丈そのものだった。偉大な両親の圧倒的な存在感、そしてデビュー早々に発生した代表作『座頭市』での死亡事故。世間は彼を「悲劇の二世」と呼び、時に容赦のない批判を浴びせたが、その裏側に存在した知られざる真相とは何だったのだろうか。
当時の撮影スタッフや関係者の証言を紐解くと、現場にあったのは異様なまでの緊張感だったという。父であり監督でもある勝新太郎が追い求めた「極限のリアル」。それが、まさかの誤射・真剣使用という取り返しのつかない悲劇を引き起こしてしまった。長年隠されてきた現場の状況や証言は、単なるスキャンダルという言葉では片付けられない、映画づくりに憑りつかれた狂気と血脈の葛藤を雄弁に物語っている。