本堂の傍らに建つ羅漢堂。その重厚な扉を開けた瞬間、思わず息を呑む。光を削ぎ落とした静寂の堂内、薄闇の中から浮かび上がってくるのは、所狭しと居並ぶ「五百羅漢像」の群像だ。享保16年(1731年)から4年の歳月をかけて造られたとされるこれらの像は、京都から招かれた九人の仏師の手によるものだ。
独占取材によって浮かび上がったのは、造像に込められた切実な祈りと職人たちの狂気にも似たこだわりである。厳しい北国の地で、京都の伝統技術たる漆仏像の技法を惜しみなく注ぎ込んだ。拝観時に絶対に押さえておきたい必見ポイントは、陰影の中に浮かび上がる独特の光沢感だ。下地から幾重にも塗られた漆が長い歳月を経て枯れ、静かな光を放つ。大飢饉による犠牲者の冥福を祈る目的もあったと伝えられる背景を知ると、像の一体一体と対峙する視線はおのずと熱を帯びる。