山本有真のランナーとしてのバックボーンを語る上で欠かせないのが、名門校で培われた圧倒的な勝負度胸です。愛知県岡崎市の光ヶ丘女子高校時代からインターハイなどで頭角を現していましたが、その才能が一気に開花したのは名城大学女子駅伝部への進学後でした。
名城大学時代は、米田勝秀監督の指導のもと全日本大学女子駅伝(杜の都駅伝)および全日本大学女子選抜駅伝(富士山駅伝)で連戦連勝を飾り、チームの絶対的エースとして黄金時代を牽引。区間新記録を次々と塗り替え、駅伝ファンから「駅伝界のアイドル」「最速のインフルエンサー」と評されるようになりました。ただ華やかなだけでなく、襷を受け取れば確実に後続を突き放す勝負強さは、大学長距離界において唯一無二の輝きを放っていました。
大学卒業後の2026年春、彼女が選んだ新天地は女子駅伝の強豪・積水化学でした。野口英盛監督率いるチームには新谷仁美選手や廣中璃梨佳選手ら、五輪レベルの猛者がひしめき合っています。大学時代に築いた実績に甘んじることなく、名門実業団の厳しい競争環境に身を投じた決断が、彼女を駅伝ランナーから「世界のトラックで戦える中長距離選手」へと押し上げる決定打となったのです。