東京のランドマークを次々と塗り替えてきた事業の歴史は、そのまま森浩生という人物の歩みでもある。かつて日本中の注目を集めた六本木ヒルズの成功、そして近年大きな話題を呼んだ麻布台ヒルズ再開発プロジェクト。これらの超大型事業は、数十年単位の時間と莫大なエネルギーを要する熾烈な戦いだった。
地権者との泥臭い交渉から国際的な建築家とのやり取りまで、現場の最前線に立ち続けた男の挑戦。その果てしない執念を一番近くで見守り、疲弊した身体と精神を癒やし続けた存在の重みは計り知れない。巨大事業の成功の陰には、家庭という絶対的な安らぎの場が存在していた。