近年の渋谷は、昼と夜でまったく異なる二つの顔を持つ。再開発によって超高層ビルが立ち並び、整然としたビジネス街としての表情を強める一方で、日が沈むと路上や地下スペースには独自のエネルギーが満ち始める。その中心地として圧倒的な集客力を維持しているのが、円山町エリアの夜を牽引してきた大型ヴェニューだ。
ストリーミングサービスによる音楽のパーソナライズが進んだ現代だからこそ、人々は「同じ音を、同じ空間で、身体全体で共有する体験」を猛烈に求めている。デジタルネイティブ世代の若者たちにとっても、重低音に身を委ねて見知らぬ誰かと一体になる体験は、他の何物にも代えがたいリアルな刺激となっている。