消費者が最も知りたいのは、「なぜ目視で防げなかったのか」というシンプルな疑問だ。混入経路に関する最新の調査結果と現場取材を総合すると、生野菜の調達過程における特有の問題が浮かび上がってくる。葉物野菜は農地で収穫されるため、生きた小動物や昆虫が葉の隙間に潜み込む可能性をゼロにするのは極めて困難だ。
問題は加工工場における検品体制にあった。通常、食品製造業の加工ラインでは多段階の洗浄と機械選別、さらには人海戦術による目視確認が行われる。しかし、葉が複雑に重なり合う形状の野菜では、洗浄装置の水圧をすり抜け、検品作業員の視界の死角に隠れ続けるケースが存在する。製造ラインにおける自動化が進む一方で、微細な異物除去における人間の目視依存という構造的限界が、安全管理の壁として立ち塞がっていたのだ。