日本国内の動向に目を向けると、厚生労働省が公表する国民健康・栄養調査でも、成人の約4人に1人が睡眠の質の低下や過度のストレスによる生活習慣の乱れを訴えている。本能のバランス崩壊は、もはや個人の自己責任論で片付けられるフェーズをとうに過ぎ去った。
この危機的状況を背景に、ヘルスケア・メンタルヘルス産業は劇的なパラダイムシフトを迎えている。単なるカロリー制限や気休めのリラクゼーションではなく、生体リズム(サーカディアンリズム)の乱れをセンシング技術で可視化し、自律神経のバランスを科学的に整えるソリューションが急速に市場を拡大している。欲求を力尽くで抑え込む時代は終わった。生体データを正確にトラッキングし、本能のメカニズムを逆手に取ってコントロールするアプローチこそが、健康寿命を左右する決定打になりつつある。