急伸のエンジンとなったのは、1989年に完成した国民皆保険制度だ。大韓民国保健福祉部が舵を取り、国民健康保険公団(NHIS)が一元管理するこの仕組みは、受診のハードルを極限まで下げた。韓国の都市部では、大病院や専門クリニックへのアクセスが極めて容易であり、重篤な疾患であっても早期に発見され、標準治療へ直結する。
国を挙げて育成された公衆衛生・ヘルスケア産業の台頭も見逃せない。ITインフラと医療を融合させた国家規模の検診システムは、胃がんや大腸がんなどの早期病変を容赦なく拾い上げる。最先端の画像診断装置やバイオ医薬品の普及スピードは目覚ましく、民間病院間の熾烈な設備投資競争が、結果として国民全体の医療水準を底上げした。