若山富三郎の代表作といえば、間違いなく『子連れ狼』シリーズの拝一刀役だろう。胴丸を纏い、愛刀・同田貫を振るう彼の姿は、時代劇におけるアクションの最高到達点として今なお国内外で絶賛されている。
撮影現場でのこだわりは凄まじく、スタントマンに頼らず自らの体で激しいアクションを体現した。本物の真剣さながらの重みを持つ刀を軽々と振り回す筋肉量と、殺陣師たちを唸らせた舞踏的な身ごなし。しかし、極寒の雪山や川の中での過酷なロケは、彼の身体に多大な負荷をかけた。役作りに命を削り、一切の妥妥を許さなかったその情熱が、彼の晩年の身体的負担を強めた側面は否定できない。