この危機は、決して遠い海の中だけの話ではない。数ヶ月から1年半後、私たちが日常的に利用するスーパーマーケットの鮮魚コーナーや回転寿司の店頭に、色濃く反映されることになるだろう。すでに一部の流通ルートでは、将来の仕入れ価格上昇を見越した卸売価格の引き上げ交渉が始まっている。
今後は、高級魚としてのブリやカンパチのブランディングが進む一方で、庶民的な大衆魚としての位置付けが崩れつつある。かつて手軽に買えた「ブリの照り焼き」や「刺身パック」が日常の食卓から遠のき、ハレの日の食材へとシフトしていく可能性も否定できない。消費者の購買行動や外食産業のメニュー構成にも、不可避の変容が迫られている。