人口推移の動向を地域別に分析すると、均一に減少しているのではなく、激しい地域間格差を伴った「偏在」が生じている実態が見えてきます。
総務省が公表する人口移動報告および住民基本台帳に基づく都道府県別人口推移ランキングでは、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の一都三県への人口集中が依然として続いています。特に東京都は全国で唯一と言ってよい転入超過を長年維持しており、進学や就職を機に全国の地方都市から若年層が吸い寄せられる構図は変わっていません。
一方、減少率上位に並ぶのは、秋田県、青森県、岩手県といった東北地方各県や、高知県、徳島県などの四国地方です。これらの地域では、死亡数が出生数を大幅に上回る「自然減」と、若年層の流出による「社会減」が二重に作用し、年間1%を超えるスピードで人口が縮小しています。すでに小中学校の統廃合、公立病院の診療科閉鎖、路線バスの廃止が日常の風景となりました。
しかし、「東京の一人勝ち」という見方は大きな錯覚を含んでいます。東京都へ流入した若者の多くは、住居費の高さや生活コストの壁に直面し、結果として結婚や出産を先送りします。東京都の合計特殊出生率は全国で最も低い水準(1.0未満)を記録しており、東京は「地方から若年層を吸い上げ、子どもを産み育てにくい環境で消費し尽くす巨大な人口のブラックホール」と化しているのが冷徹な事実です。