「せっかく遠出をしたのに写真のような絶景が見られなかった」という失敗の多くは、気象と海象のメカニズムに関する誤解から生じています。
誤解1:「8月中旬のお盆休みが最も綺麗な海を楽しめる」という錯覚
海水浴のハイシーズンである8月上旬〜中旬は、実は透明度の観点からは最も不利な時期の一つです。海水温の上昇によって植物プランクトンが増殖しやすくなる上、年間で最も来訪者が集中するため、日焼け止めオイルの溶出や海底の砂の巻き上げが極限に達します。最高峰の透明度を狙うなら、水温が上がりきりプランクトンが増える前の6月下旬〜7月中旬(梅雨明け直後)、あるいは遊泳客が減少し海が落ち着く9月上旬〜中旬が最も適しています。
誤解2:「前日が雨なら翌日の海は絶対に濁る」という思い込み
雨の影響は、ビーチの地形によって劇的に異なります。近くに大きな河川がある海岸(本州の一般的な湾内など)では、雨水とともに土砂が流入して数日間茶色い濁りが残ります。しかし、河川の流入がない離島や外洋に突き出た岬(南伊豆のヒリゾ浜や式根島など)では、雨が上がって潮流が入れ替われば、数時間で驚異的な透明度へと回復します。雨の有無よりも重要なのは「風向き」であり、陸から海へ吹く「オフショア(追い風)」であれば波が抑えられ、水面が鏡のように澄み渡ります。