国土が海に沈む恐怖を描いた小松左京の映画『日本沈没』は、かつて高度経済成長期の日本人が抱いた潜在的不安の象徴だった。しかし現代において、その恐怖は地殻変動による災厄から、目に見えない「経済的・社会的な沈没」へと姿を変えて人々の日常に忍び込んでいる。
近年のNetflixで配信された関連作やアニメ版、さらにはYouTube上で急増する社会ドキュメンタリー番組は、フィクションの枠を超えたリアルな危機感を視聴者に突きつける。スマートフォン画面を見つめる若者たちの視線の裏には、自国の未来に対する言語化しがたい焦燥感が横たわっているのだ。