妊娠後期にかけて増大する子宮は下大静脈を圧迫し、下半身の血液が心臓へ戻りにくくなります。さらにホルモンバランスの変化によって体内に水分が溜まりやすくなり、耐え難いむくみや就寝中のこむら返りが発生します。これらを安全に解消するため、助産師が臨床現場で推奨するケア方法は以下の通りです。
・「押す」のではなく「下から上へ撫で上げる」
足裏のツボをグイグイ押すのではなく、足首からふくらはぎ、膝裏のリンパ節に向かって、手のひら全体で優しく撫で上げます。皮膚が軽く動く程度の極めてソフトな力加減で十分なリンパドレナージュ効果が得られます。
・40度前後の足湯で血流を底上げする
洗面器やフットバスに少しぬるめの湯を張り、足首の上まで10〜15分ほど浸けます。物理的な指圧を加えることなく、温熱効果によって末梢血管を拡張させ、こむら返りの直接的な引き金となる筋肉の過緊張をほぐします。
・クッションを活用した下肢挙上と足首のポンピング運動
横になる際、クッションや丸めたタオルを使って足を心臓より10〜15cmほど高く保ちます。同時に、足首を手前と奥にパタパタと曲げ伸ばしする「足首運動」を行うことで、ふくらはぎの筋ポンプ作用が働き、滞留した静脈血とリンパ液が自然に循環します。