なぜこれほどまでに、若年層はレッドブルに魅了されるのか。その背景には、創業者のディートリヒ・マテシッツが生み出した緻密で圧倒的なブランド戦略が存在する。
同社は単なる飲み物ではなく「限界に挑戦するカルチャー」を売り込んできた。超高高度からのフリーフォールを成功させた伝説的な「レッドブル・ストラトス」をはじめ、モータースポーツの頂点に君臨するF1チームの運営、さらにはNetflixで世界的人気を博したドキュメンタリー『F1: 栄光のグランプリ』など、エンターテインメントの表舞台を席巻している。
若者が日常的に視聴するYouTubeやゲーム配信プラットフォームでも、トップストリーマーやEスポーツ選手が当たり前のように缶を口にする。10代にとって、レッドブルを持ち歩くことは単なる水分補給ではなく、クールでアクティブな自分を演出するアイデンティティの一部なのだ。