親子であり、師弟である。市川團十郎と新之助の関係性は、私たちが想像する一般的な親子のそれとは一線を画す。稽古場に入れば、そこは妥協の一切許されない戦場だ。團十郎の厳しい指導に対し、新之助が悔し涙を流すことも珍しくないという。
しかし、その厳しさの裏には、成田屋の伝統を次世代へと正しく継承させたいという父の強い覚悟がある。新之助もまた、その厳しさを「愛」として受け止め、必死に食らいついている。二人が舞台上で見せる火花を散らすような共演は、まさに伝統がリアルタイムで受け継がれていく瞬間を目撃しているかのような緊張感に満ちている。