精神的に極限まで追い詰められた人間は、「トンネル視野」と呼ばれる状態に陥る。これは、視野が極端に狭くなり、目の前の問題(=仕事の辛さ)を解決する方法が、極端な手段(=死)しかないように錯覚してしまう現象だ。
第三者から見れば、「会社を辞めて実家に帰ればいい」「アルバイトでも生きていける」という選択肢は明白だ。しかし、トンネルの中にいる本人には、その光が見えない。「仕事を続けるか、死ぬか」の二者択一に追い込まれ、最終的に後者を選んでしまう。これが過労死・過労自殺の最も恐ろしいメカニズムであり、彼女が最後まで辞められなかった最大の理由である。